2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

57 落ちぶれた大旦那・黄色の最期

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 5757 落ちぶれた大旦那・黄色の最期 三毛がいなくなってボクらの最古の友達はチビだけになった。知り合ったころ、まだ幼児で、おとなのノラに脅されて餌場に近づけない。餌を前にした喜びを全身で表し、大きな輪を…

56 生老病呆死④老後の寿司屋

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 56 56 生老病呆死④老後の寿司屋 この前の休日、地下街の寿司店へはいった。繁華街は年末年始を過ぎて閑散としている。おまけに昼食どきをとっくに過ぎた時間帯でお客はまばらだ。ひとつ席をおいて右隣は、ちょっと…

55 ノラ猫1匹に警官が4人

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 55 55 ノラ猫1匹に警官が4人 最晩年の三毛を力づけてくれた子猫「チビ黒」と再会し、再び別れた顛末記――。 三毛がこなくなってからもボクたちは三毛を探し歩いた。ある夜、以前三毛に餌をやっていて苦情をいわれ…

54 「かわいいね」、と撫ぜてやりたかった

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 5454 「かわいいね」、と撫ぜてやりたかった松の内を過ぎるころから三毛の来ない日が多くなった。今度こそもうだめか。ある日、妻は夕食前に「三毛の餌やりにいこう」という。いつも夜8時をすぎていくが、老猫で…

53 子猫と抱き合って暖をとる?

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 5353 子猫と抱き合って暖をとる? 春になって、三毛の餌場に、国道沿いの溝を根城とするデビルが出没しはじめた。餌を食ったり食わなかったりの三毛のおこぼれをねらって200メートルほど先からやってくるのだ。…

52 「三毛おばあさん」はセックスも知らずに!?

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 5252 「おばあさん三毛」はセックスも知らずに!? 犬や猫、動物の死は人間の死に比べていかにもあっけない。ボクのささやかな経験則だ。おそらく三毛もこの風雪に埋もれて息絶えているだろう。半ばそう確信しなが…

51 三毛は猫エイズ??

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 5151 三毛は猫エイズ?? 三毛は目に見えて衰えてきた。餌場の選り好み、食い付きの悪さ。それだけでなく、クシュン、クシュン、と顔を左右に振りながら、ハクションに似た動作を繰り返すことが多くなった。食事中…

50 子猫しか飼わない主婦の哲学

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 50 50 子猫しか飼わない主婦の哲学 なくて七癖、猫にもいろいろな飼い方があるようだ。 以前、わが家の近所の社宅にいた主婦は、しょっちゅう、複数の子猫を飼っていた。ご主人や、まだ小さい2人の子どもたちも子…

  49 悪女の魅力

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 49 49 悪女の魅力 ノラ猫の餌やりの話に戻ろう。 三毛との付き合いはもう3年を超えた。相変わらず寡黙で無表情ながら野外駐車場の端から二台めの車の下で律儀に待っていてくれた。ボクたちが遅れた夜は駐車場の手…

48 生老病呆死?定年後の夢(後)――穏やかにショーペンハウエル

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 4848 生老病呆死?定年後の夢(後)――穏やかにショーペンハウエル 定年を境にぽつんと社会や世間との縁が切れてしまい、失意と孤独に陥る会社人間はどこにもいるでしょうが、私らの職場ではとくに多かったように見…

47 生老病呆死②定年後の夢(前)―養蜂業と温泉旅館

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 47 47 生老病呆死② 定年後の夢(前)――養蜂業と温泉旅館 ボクの親戚に、いつまでも現役生活を走り続けることを生涯の目標にしている70代の男性がいます。そんな主旨を書いた本をこのほど自費出版することになり、…

46 生老病呆死  ① 右肩上がりの命日

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 46ときどき場違いなことも書きたいので、このブログの枠内でミニシリーズ「生・老・病・呆・死」を随時挿入します。タイトルの言葉は、たぶん京都の名物医師、早川一光さんの造語でしょう。なるほどと感心したので無…

45 明日からはお母さんがあなたの仏様になる(後)

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 4545 明日からはお母さんがあなたの仏様になる(後)平野恵子さんの気付きのきっかけとなった、廣瀬先生のという言葉を手元の岩波仏教辞典で調べたが載っていない。ただ、先生は追悼講演の記録「遺教」(法蔵館)…