2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

277 死の哲学(18)老いらくの恋〜〜しずこころなき昨日今日かな

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 277 277 死の哲学(18)老いらくの恋〜〜しずこころなき昨日今日かな 田辺元は60歳になった昭和20年3月京大を退官し、敗戦がまじかな7月に北軽井沢に移った。以後ここで隠遁的生活を過ごし、五年後文化勲章を受けた時…

276 死の哲学(17)3人の学者の妻・それぞれの愛と死

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 276 276 死の哲学(17)3人の学者の妻・それぞれの愛と死 日本の代表的な哲学者、西田幾太郎はおびただしい家族の死に囲まれている。 肉親の最初の死を経験したのは明治26年、4歳上の姉がチフスで病死した。幾太郎は…

275 死の哲学(16)亡妻の後押しで田辺は西田に再接近した!? 

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 275 275 死の哲学(16)亡妻の後押しで田辺は西田に再接近した!? あれほど尊敬し、慕い、傾倒した西田幾太郎になぜ田辺元は反旗をひるがえしたのか。後年、学説の違いが生まれ、そこから感情的なものに発展したとい…

274 死の哲学(15) 西田幾太郎に傾倒し、やがて対決する田辺元

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 274 274 死の哲学(15) 西田幾太郎に傾倒し、やがて対決する田辺元田辺元と、西田幾太郎とのぎくしゃくは、日本の哲学史のなかでいまも語り継がれる異色の一頁だ。京都学派の内輪もめなので関係者はだれも声高にはい…

273 死の哲学(14)結婚直後に気付いた夫人の不健康 

ノラ猫たちとさまよったボクの仏教入門 273 273 死の哲学(14)結婚直後に気付いた夫人の不健康 田辺夫妻を媒酌したのは哲学者安倍能成(のちの文相、新制の学習院院長)である。田辺夫人は安倍夫人の従妹である。なにかと口の端にのぼりながら、ヴェールに…